日本ボイストレーナー連盟の石塚 弓子です。
私も個人的に昔から大好きな、ユーミンこと松任谷由実さん。

今日はユーミンさんについて書かせて頂きます。

特徴的な声の松任谷由実さん

低音が魅力的なユーミンさんですが、普段の話し声と、歌っている時の声質が、荒井由実時代から変わらないのが特徴です。
自然な声で歌うという事は、歌い手にとっては、とても大切な事なんです。
ですから、ボイストレーニングを行う際、トレーナーは生徒さんの普段の声質を壊さないようにレッスンする事を心がけています。
ボイストレーニングで個性が失われると考える方も多いのですが、実際は個性を活かして更に発声能力を伸ばしていくのがボイストレーニングです。

話は戻りますが、メジャーで活躍されているアーティスト、著名なアーティストは、ほとんどの方がこれに当てはまる歌い方をされています。
注意して聴いてみると、面白いと思いますよ。
そんなお声の魅力以外にも、ユーミンさんが作られる曲の世界観は、本当に素敵で、老若男女問わず人気がありますよね。

松任谷由実さんの歌詞の世界観

歌詞のレクチャーをする時に、よく参考にさせて頂くのですが、一つ例を挙げさせて頂きます。

『海を見ていた午後』という曲があるのですが、
その歌詞の中には、「山手のドルフィンは静かなレストラン」や、「ソーダ水の中を貨物船が通る」などが出てきます。
「どこで、誰が、何をして、どう思ったか」など、わかりやすい表現でありながら、ユーミンさんにしか書けない詞の世界観があり、
まるでその場に居るような気持ちになります。

そんな風に情景が浮かんでくる歌詞を書きたいものです。
選曲される際は、そんな歌詞の世界観をはっきりと伝えられるように、
一つ一つ言葉を丁寧に響かせる事を意識して歌うようにしてみてください。

 

ishizuka記事作成協力/一般社団法人日本ボイストレーナー連盟
石塚 弓子